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マツモトの4代目社長に就いた大嶋亮さん。背後にあるデジタルししゅう機で自分も商品を制作する。尊敬する経営者は、京セラ創業者の稲盛和夫氏らだという

 いつか経営者になりたい――。そんな思いを抱く会社員らを対象に、中小企業の「後継ぎ」を募る事業承継会社への応募が増え続けているという。社長になる夢をかなえた一人を取材した。

 織物産業が集まる京都市の西陣地区。その一角で和装小物などを製造する株式会社マツモトの4代目社長に昨年秋、創業家出身ではない大嶋亮さん(44)が就いた。

 不動産業界でキャリアを積み、営業、開発、人事と様々な職務を経験。直近は大手リノベーション会社で経営戦略部のリーダーを務めていた。

 40歳を前にMBA(経営学修士)も取得した。人生後半の働き方を考えたとき、「地元の関西で、若者が働きたくなる会社を経営したい」という思いが芽生えた。

 とはいえ、どうやったら経営者になれるのか。方法を模索していた2022年に出会ったのが「SoFun(ソー・ファン)」という本社が滋賀県にある会社だ。説明されたのは、それまで聞いたことがない事業承継の手法だった。

銀行やM&A仲介業者が手がける既存の事業承継ビジネスとどう違うのか。記事後半で詳しく読み解きます

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